ニューデリー、2010年 7月 12日– IT市場調査会社のスプリングボードリサーチ(本社シンガポール、代表Dane Anderson)は、インドのサーバーOS市場において、Linux普及率が前回調査2009年4月時点の7%から8.1%に拡大した、と発表しました。 Linuxユーザー層は、政府・公共機関、教育、民間企業など多くの業界で拡大しました。
特に、中堅・中小企業ユーザー(設置サーバー数1~999台)のLinux普及率が8.3%と高く、大企業ユーザー(同1 ,000台以上)を2.4ポイント上回りました。Linuxユーザーが拡大した背景には、TCO削減効果への期待、セキュリティ懸念の軽減、著作権対策が無用、オンラインサポートコミュニティの発展、といった促進要因があげられます。IT予算に限りがある中堅・中小企業にとって、Linuxが低コストかつビジネス目標達成を助けるソリューションとして正しい選択肢であることが証明されたといえます。
「近年、個別要件を満たすカスタマイズ型ソリューションに対する中堅・中小企業の需要が増加傾向にあります。最近では、企業が求める製品・ソリューションとして、ユーザーとなる企業自身かつ、ユーザー企業の顧客が求めるシステム要件を満たすことのできる、柔軟性の高いオープンソースが注目されています。」と、シニアマーケットアナリストのSameer Bhatnagar(サメール・バートナガー)は分析しています。高度な技術スキルが確保できるインド市場では、今後さらにLinuxユーザーが拡大すると予測されます。
エンジニアリング業界がインド市場のLinux普及をリード
スプリングボードリサーチ社の調査結果によると、エンジニアリング業界でのLinuxサーバーのユーザー層が厚く、エネルギー業界、エンターテイメント業界でもLinuxの存在感が増しています。また、ソフトウェア、非営利団体、教育、政府、金融、テレコムといった多岐にわたる業界でも、オープンソースを利用する機運が高まっています。多くの業界でLinux が採用されはじめた理由として、オープンソースの価格優位性と、Linux に対するセキュリティ面での安心感が増したことがあげられます。こうした市場環境下、レッドハット、ノベルなどのベンダーが、インドのエンタープライズ市場をターゲットに攻勢をかけています。
Linux 対 WindowsサーバーOSの普及動向
エンタープライズ市場でLinux ユーザーが拡大する一方で、Windowsが依然としてインドのサーバーOS市場の主導権を握っています(Windowsシェア91.8%)。なかでも、Windows 2003が70%のシェアを握り、過去12か月間で2.8ポイントの増加となりました。
「中堅・中小企業のLinuxユーザーが増加傾向にあるのは事実ですが、インドのサーバーOS市場ではマイクロソフト製品が独走を続けています。ミッションクリティカルな業務要件向けには、Linuxのサポート力では不十分と見ているユーザーがまだ多く、LinuxがWindowsの牙城を切り崩すまでには至っていません。」とインド・リサーチオペレーションディレクターのManish Bahl(マニッシュ・バール)は指摘しています。大企業ユーザーを獲得するには、パートナー向けトレーニングを拡充し、Linux 導入サポート役となるISVとのネットワークを構築していくことにより、Linuxの認知度を上げていくことがさらなるLinux普及に不可欠となります。
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調査レポートについて
今回の発表内容の詳細は、スプリングボードリサーチ発行の「India OS Market Quick Take」に掲載されています。本レポートでは、インドのサーバーOS 市場の全体動向や、Linux を含めたサーバーOSのインストール状況がまとめられており、408,756件にのぼるサーバーOS データを基にしています。 産業別、企業規模別、OS導入年月別でのデータ加工が可能です。詳細については、調査レポートデータベースResearch Central をご覧下さい。
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2004年に設立されたIT市場専門の調査機関です。シンガポール本社、オーストラリア、中国、インド、日本、マレーシア、パキスタン、アラブ首長国連邦(ドバイ)、米国に事業拠点があり、経験豊富なアナリストが調査活動に携わっています。ソフトウェア、サービス、ネットワーク、チャネル、新興国市場、産業別分析などで調査実績があり、グローバルIT企業ほか通信事業者、政府および金融機関などが主要顧客です。情報サービス産業の調査・アドバイサリー機関であるOutsell社より、世界IT市場調査業界の“Rising Star”としての評価を受けています。日本では、2008年10月にスプリングボードリサーチ株式会社が設立されました。『ナレッジプラットフォーム』ブランドでeラーニングコースの開発・運用サービスも提供しています。詳しくは当社Webサイトwww.springboardresearch.com をご覧下さい。
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